「福島第1原発の国有化提言」が掲載されたネイチャーの表紙=ネイチャー提供 深刻な事故を起こした東京電力福島第1原発を国有化すべきだとの英文の論評を、鳩山由紀夫元首相と平智之衆院議員(いずれも民主党)が15日付の英科学誌ネイチャーに寄稿した。国有化の理由として、企業秘密などを理由に情報開示が進まない現状では、事故の全容解明や安全対策が進まないと指摘している。同誌は掲載に合わせ、日の丸と、黒塗りされた同原発の「事故時運転操作手順書」の写真をあしらったイラストを表紙に掲載した。論評では、東電が「特許や核物質防護上の問題」を理由に手順書の大半を塗りつぶして衆院特別委員会に提示した問題を取り上げ、溶融した燃料が格納容器の底のコンクリートをどの程度侵食したかも不明なため、放射性物質が地下水に混入する恐れが残るとした。こうした状況を踏まえ、あらゆる情報が公開され、独立した立場で科学者が事故を評価する必要があると指摘。「政府の管理下に置くしかない」と結んでいる。共著者の平衆院議員は「日本人は広島、長崎の原爆に続く被ばくをした。世界中の人が事故分析に参加するきっかけにしたい」と話す。両氏は、官邸主導の検証とは別に、国会議員有志で全容解明を目指すチームの一員。その活動に興味を持った英国のネイチャー編集部が執筆を依頼したという。
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